よくブラジルに駐在予定の方から予防接種について聞かれます。特に予防接種が一通り打ち終わっていない赤ちゃん連れの方はとても不安が大きいと思います。今回は日本とブラジルの予防接種の違いや現地での予防接種の打ち方をお伝えしていきたいと思います。
渡伯準備のために日本で予防接種を打つべきか?
まずは日本での渡伯に向けた予防接種について。
個人で渡伯する方もいれば、駐在員として渡伯する方もいて、この予防接種を渡伯前に打つべきとは一概に言えないのですが、私は日本で主人の会社の指示通りに予防接種を受けておいて良かったと思っています。
まず私が打つように指示されたのは「黄熱病」「破傷風」「A型肝炎」のワクチンです。
ブラジルに住む人はもちろん観光で来る方も必須の予防接種だと思います。この3つは日本で受けてから来るべきだと思います。企業によっては狂犬病のワクチン接種を推奨するところもあるようです。
特に黄熱病は必須です。ワクチン接種の証明になるイエローカードを持っていないと中南米では危険です。中南米にはカードを持っていないと入国できない国がたくさんあります。現在ブラジル入国の際にイエローカードの提示は求めらめませんが、黄熱病に感染する恐れのある地域に指定されています。状況によっては急にイエローカードの提示を求められることもあるので日本で接種してからブラジルに来るべきだと思います。ブラジルはイエローカードを持っていないと入る事ができない観光地もあります。町の公園もイエローカードの提示が必須のところもあり、ブラジルではイエローカードは必需品です。
妊婦や1歳未満の赤ちゃんは打てないので、ブラジルに来てから打てるタイミングで接種している人もいます。ちなみに1歳未満の赤ちゃんはイエローカードの提示は求められません。
日本で黄熱病のワクチンを打つ場合、接種できる医療機関がとても限られている上に予約が取りにくいので注意が必要です。また生ワクチンなので接種後28日間は他のワクチン接種ができません。なので破傷風やB型肝炎も接種する人は一度接種を検討しているクリニックで渡伯までに間に合うかどうか問い合わせたほうが良いです。
こちらのサイトに接種できる医療機関の情報が載っているので、参考にしてください!
厚生労働省検疫所
ブラジルで予防接種を打つ方法
ブラジルでは3つの方法で予防接種を打つことができます。
- Posto de saude
- Clínica de Vacinação
- 自宅で看護婦さんに打ってもらう
【Posto de saude】費用を抑えたい人向け
Posto de saudeとは州や市が運営している医療機関で、主に病気の予防に特化しています。場所によって呼び方が異なりますが、Googleで「posto de saude」と検索すると出てきます。こちらでは基本的に国民や住民権を持っている人は無料で予防接種を受けることができます。予約不要というかできないので、待ち時間は覚悟してください。赤ちゃんは優先的に案内されますが、それでも待ち時間がかかるという話を聞きます。インフルエンザのワクチンの時は大行列ができるそうです。必ずRNE(外国人身分証明証)またはRG(ブラジル人の身分証明証)を持参してください。
【Clínica de Vacinação】より多くの抗体をつけられる自費接種
Posto de saudeで予防接種しても全く問題はありませんが、金銭的に余裕があれば予防接種専門のクリニックで打つ事をお勧めします。
メリットは以下の通りです。
- 予約が出来る、待ち時間が少ない
- Posto de saudeのワクチンよりも抗体が多く入っているワクチンがある
- Posto de saudeより接種回数が少なく済む
Clínica de Vacinaçãoは基本的に予約制です。待ち時間はほとんどありません。また赤ちゃんの予防接種の場合、2、3回接種するワクチンは同じクリニックで打たないといけない事があるので、初回にどこにかかるかをしっかりリサーチすると良いです。
Posto de saudeよりクリニックをお勧めする理由は接種回数が少なく済む事とより多くの抗体をつける事が出来るからです。
例えば Posto de saudeで打つPentaというワクチンがあります。こちらはDTP(ジフテリア・破傷風・百日咳)、B型肝炎とヒブの5種混合ワクチンです。でもクリニックではPentaにポリオが追加されているHexavalente(通称Henxa)という6種混合のワクチンが打てます。 Posto de saudeでもポリオは接種できますが、接種する回数が1回減るというメリットがあります。Pentaとポリオはそれぞれは3回接種のワクチンなので、Hexaを打つ場合合計で針を刺す回数が3回減り、赤ちゃんはもちろんパパママの負担も減り、さらにスケジュールの管理が楽になります。
また肺炎球菌のワクチンはクリニックで打つ方がより多くの種類の抗体をつける事ができます。Posto de saudeでは「Pneumococica10v」という10種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチンを打ちますが、クリニックでは「Pneumococica13v」という13種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチンを打ちます。現在の日本では13価のワクチンを採用しているので、クリニックで打った方が日本の子供と同じものを打てるということになります。
自宅で看護婦さんに打ってもらう
我が家はこの方法を採用しています。Clínica de Vacinaçãoの看護婦さんに出張で来てもらい予防接種を打っています。メリットはなんと言ってもクリニックに行かなくて済む事!!!小さい赤ちゃんを連れてクリニックに行くのは大変なので、大変有難いサービスです。また自宅という慣れた環境で予防接種を打つ事ができるので、赤ちゃんもリラックスできます。針が刺さってる間は泣きますが、優しい看護婦さんのおかげで我が子は一度も予防接種前後でぐずったり泣いたりした事がありません。出張費は30レアル程なので、そこまで割高感はありません。とてもお勧めです!!
日本では未実施の子供の定期予防接種について
我が子はブラジル生まれなので、現地の子と同じスケジュールで予防接種を打ちました。もちろん日本では定期接種では打たない「黄熱病」「B群髄膜炎菌感染症」「C群髄膜炎菌感染症」「A型肝炎」「流行性耳下腺炎(おたふく風邪)」も接種しました。ちなみにブラジルでは接種しない「日本脳炎」のワクチンは日本で打つ必要があります。
今回のまとめ
ブラジルと日本の予防接種スケジュールは全く異なります。ブラジルで生まれて2歳くらいまでブラジルで生活する子は問題ないと思いますが、2歳までの間に日本からブラジルに引っ越したり、その逆のパターンだったりするとかなり複雑になってきます。その場合はかかりつけ医に相談するとアドバイスをもらうことができます。区役所などの予防接種課の人は当てにならないので、信頼できる医者に相談するのがベストです。予防接種のことも考えて引っ越しの時期を決める家族も多いです。
ブラジルの予防接種は自費の場合、看護婦さんが家まで来てくれるので本当に楽でした。予防接種専門のクリニックでスケジュールを管理してくれるのもとてもありがたいです。
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